宇宙の真実

ビッグバンが起こる以前宇宙はどうなっていた?

宇宙のはじまりがどうだったのかはとても興味深い話だがヽ宇宙膨張説を信じるならば、逆に過去にさかのぼっていけば、宇宙の初期はひじょうに小さな点だったという結論に達してしまう。

 

では、その小さな点はどうやって生まれたのか。これを知らなくては宇宙のはじまりを知ったことにはならない。

 

これを説明してくれるのが、ハートルとホーキングが提唱しているビッグバン宇宙の「量子宇宙論」である。

 

宇宙は最初、時間や空間の概念とはまったく異なった量子状態でいろいろな時空があらわれては消え、消えてはあらわれるということを繰り返していたという。こうしてやがて出現した宇宙は、陽子の10-20倍ぐらいと、ものすごく小さかった。

 

これがビッグバンによって膨張をつづけ、現在のような宇宙になったとされている。しかし、そもそものはじまりだった量子のままの宇宙では、現在のように発達することはできない。

 

量子状態の宇宙では、いろいろな時空があらわれては消え、消えてはあらわれるのを繰り返しているにすぎないからだ。

 

このまま膨張したのでは、すぐに収縮してつぶれてしまうか、膨張しすぎてからっぼの宇宙になってしまう。現代のように、銀河や星をもち、人類を誕生させる宇宙にはなりえないのだ。

 

そこで、量子宇宙がビッグバンに至るまでのあいだに、インフレーション宇宙が存在したという説が登場した。インフレーションとは、物価が急激に上昇することを指す経済用語で、生まれたばかりの宇宙が、約10-35秒ごとに大きさが倍になり、それが100回以上つづいたとされている。

 

たかが100回と思うかもしれないが、陽子よりも小さく誕生した宇宙が、それで約一センチほどの大きさにまで成長する。その時間はわずか一秒ほどにすぎず、宇宙はそのあいだに、現在の宇宙を構成しているあらゆる素材(宇宙の元素)を用意したというのだ。

 

これが「宇宙の赤ちゃん」で、素材を得た宇宙は、ここからは比較的ゆっくりと膨張をつづけ、銀河や星も誕生させたのである。

 

まったくみることもできない量子状態だった宇宙。われわれの存在している宇宙が、そんなちっぽけなものだったなんて、いったいいまの状態から誰が想像できるだろうか。