宇宙の真実

無重力空間ではどんな不都合が発生する?

私たちは、常に上下や左右を意識して生活している。
というより、常に上下があり、左右があり、東西南北がある状態で生きているといったほうがいいだろうか。

 

それは、地球には重力があるからだ。しかし、宇宙には重力がない。いわゆるゼロG空間という状態である。

 

いま、人類はスペースコロニー計画を推し進めている。成功すれば、宇宙に住むことも珍しくはないだろう。しかし、もし宇宙ステーションをつくったとして、そこに上下がつけられるだろうか。重力のない場所では、上も下も存在しない。それどころか、左右も、東西南北もまったく決められないのである。

 

自分の頭のあるほうが上、足のほうが下、右手の方向が右、心臓のあるほうが左に決まっているじやないかと思うかもしれないが、これは大きなまちがいだ。それはあくまで自分だけの上下左右であって、相手には通じない。

 

ゼロG空間にいけば、すべては浮きあかってしまうから、会話をしている相手の足はまったく逆のほうにあるかもしれない。こうなれば、左右だってまるっきり逆になる。

 

たとえ机などを固定し、その足のあるほうが下だと決めたとしても、机の上に置いたものは、フワフワと浮きあかってしまう。これでは、上も下もないではないか。

 

つまり、ゼロG空間とは、「上下左右、東西南北のまったくない場所」、いいかえれば無方位空間なのである。宇宙空間では、いまの上下左右の概念は、まったくあらためなくてはならないだろう。

 

たとえば、人にスイッチを押してくれと頼むとき、「その右側のスイッチを押してくれ」では、なかなかうまく伝わらない。「あなたの右側」というような補足が必要となる。

 

ただし、その会話のあいだに、相手の体がフワフワとむきをかえてしまったら、またいいなおし。短気な人には、ゼロG空間での生活はちょっとむかないかも……。